美しい錦鯉について 錦鯉の品種あれこれ
錦鯉の病気とその対策

「早期発見、早期治療。」 人間と同じように、鯉も病気になったら、それを早く見つけてやる、そして治療するということが一番です。そのためにも「毎日の観察し健康を管理する」という事が重要になってきます。

錦鯉の健康状態は日頃の泳ぎ方にあらわれます。鯉が健康なときは、池全体に自由に泳ぎ、餌をやるとワッと元気よく寄ってきます。 毎日観察をしていると健康な泳ぎ方というのが自然と分かってきます。

その泳ぎ方がいつもと異なる場合、池の状態が悪いか鯉が病気になったと考えるべきでしょう。たとえば、冬でもないのに、池の隅に鯉がジッとしていたり、一尾だけ群れをはなれてボーとしていたり、体を池の壁等にこすりつけるように泳いだりするのはそうです。


キロドネラ症の病魚 イクチオボドの鰓への寄生 トリコジナ(右上の円板状)と
キロドネラ(左下のナス型)

寄生虫症

  • 原虫病(イクチオボド症・キロドネラ症・トリコジナ症)
【発生時期】 主に秋から春にかけての越冬期間に発生します。
【症状】 寄生虫自体は目で確認できませんが、体表は白濁し、白い膜で覆われたような白雲症状を呈します。食欲が落ち、注水口や池の隅に群がったり、壁をこすったりと異常行動が伴います。
【原因】 原虫類(イクチオボド(コスチア)、キロドネラ、トリコジナ(サイクロキータ))の寄生によって起こります。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 過マンガン酸カリウムを2-3g/トン池に散布。
  2. 過マンガン酸カリウムを200g/トンで5分間の短時間薬浴。時間厳守。
    (池に散布したくない時、病魚だけとりだし桶で薬浴するのがよいでしょう。)
  3. 食塩を20kg/トン(2%)で10-20分の薬浴。
    (この場合も病魚だけとりだし桶で薬浴するのがよいでしょう。)
  4. ホルマリンを20-30ml/トンで最低3日間以上の薬浴。(当才魚には25mlが限度です。)
【注意】 ホルマリンは、発ガン性が疑われている劇物ですから、取り扱いにはゴム手袋、マスク等を使用してください。
過マンガン酸カリウム等の短期薬浴の場合は、必ず鯉の様子をみながら行い、鼻上げなどの以上がみられたら中止するようにしてください。
過マンガン酸カリウムは、エラを損傷させる薬害が見られることがあります。また水中に有機物や汚濁物があるときは、還元、分解され薬効が低下するので、池水を綺麗にしてから使用します。
  • ダクチロギルス症・ギロダクチルス症(イクチオボド症・キロドネラ症・トリコジナ症)
ダクチロギルス症病魚の鰓 ダクチロギルス症の病魚
鰓に寄生したダクチロギルス ギロダクチルス

【発生時期】 春から夏の高水温期にかけて発生します。
しかし近年は加温設備のついた越冬池も増え、越冬期の発病も目立ってきています。
【症状】 原虫病と同じような白雲症状を呈し、食欲が落ち、注水口や池の隅に群がったり、壁をこすったりと異常行動が伴います。
【原因】 ダクチロギルス、ギロダクチルスが主にエラに寄生し起こります。
体表にも寄生することがあります。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 水産用マゾテン粉末を0.2-0.5g/トンで散布。
  2. 水産用マゾテン液(20%)を2-2.5ml/トン池に散布。
  3. ホルマリンを20-30ml/トンで最低3日間以上の薬浴。(当才魚には25mlが限度です。)
  4. 過マンガン酸カリウムを2-3g/トン池に散布。
  5. 過マンガン酸カリウムを200g/トンで5分間の短時間薬浴。時間厳守。
    (池に散布したくない時、病魚だけとりだし桶で薬浴するのがよいでしょう。)
【注意】 ホルマリンは、発ガン性が疑われている劇物ですから、取り扱いにはゴム手袋、マスク等を使用してください。
過マンガン酸カリウム等の短期薬浴の場合は、必ず鯉の様子をみながら行い、鼻上げなどの以上がみられたら中止するようにしてください。
過マンガン酸カリウムは、エラを損傷させる薬害が見られることがあります。また水中に有機物や汚濁物があるときは、還元、分解され薬効が低下するので、池水を綺麗にしてから使用します。
  • 白点病
白点病の病魚 イクチオフチリウス(白点虫)

【発生時期】 主に秋から春にかけて発生します。
【症状】 外観は、原虫類病、ダクチロギルス症、ギロダクチルス症に類似し白雲症状がみられますが、体表、特に頭部にケシ粒より小さい白点がみられることがよくあります。食欲が落ち、注水口や池の隅に群がったり、壁をこすったりと異常行動が伴います。
【原因】 イクチオフチリウス(白点虫)の寄生によっておこります。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. メチレンブルー粉末を0.5-1g/トン池に散布し5-7日間薬浴。
    (数トンまでの池にはメチレンブルー水溶液が便利です。)
  2. マラカイトグリーンを0.1-0.2g/トンで5-7日間の薬浴。
  • イカリムシ症
イカリムシの寄生 イカリムシ

【発生時期】 主に秋から春にかけて発生します。
【症状】 胸鰭を小刻みに動かしたり、背鰭を振るわせたり、体を池壁などにこすりつけたり、飛び跳ねたり通常とは異なる泳ぎをします。やがて池の隅にジッとし動かなくなります。肉眼で虫体が確認できます。
【原因】 イカリムシの寄生によっておこります。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 水産用マゾテン粉末を0.2-0.5g/トン散布。
  2. 水産用マゾテン液(20%)を2-2.5ml/トン池に散布。
  3. 鯉に麻酔をかけ虫をピンセットなどで取り除き、傷口を消毒。
  4. デミリンを1g/トン散布
【注意】 マゾテンはイカリムシの幼生のみを駆除し、卵と成虫には効果がありません。
1-2週間に1回の割合で、2-3回反復して行ってください。
マゾテンは使用量の範囲内であれば安全ですが、誤って多量に使用した場合ギクなどの神経系統の障害を引き起こす場合があります。
  • チョウ(ウオジラミ)症

チョウ
鰓の付け根に寄生 体表に寄生

【発生時期】 主に4月から11月にかけて発生します。
【症状】 体表全体、主にヒレの付け根に寄生します。
魚は体を池壁などにこすりつけたり、飛び跳ねるよう過敏に泳ぎ、通常とは異なる泳ぎをします。やがて池の隅にジッとし動かなくなります。肉眼で虫体が確認できます。
【原因】 チョウの寄生によっておこります。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 水産用マゾテン粉末を0.2-0.5g/トンを散布。
  2. 水産用マゾテン液(20%)を2-2.5ml/トン池に散布。
  3. 鯉に麻酔をかけ虫をピンセットなどで取り除き、傷口を消毒。
【注意】 マゾテンはチョウの幼生のみを駆除し、卵には効果がありません。
1-2週間に1回の割合で、2-3回反復して行ってください。
マゾテンは使用量の範囲内であれば安全ですが、誤って多量に使用した場合ギクなどの神経系統の障害を引き起こす場合があります。
  • エピスチリス(ツリガネムシ)症
【発生時期】 主に春から秋にかけて発生します。
【症状】 最初は体表に米粒大の白点が1-2ヶ所生じ、次第に拡大、転移していきます。その白点は次第に拡大し、皮膚は充血して発赤します。症状が進行すると、白点部の鱗が部分的に立鱗し、患部周囲の充血、鱗の欠損(虫食い状態となって欠ける)、脱落が起きます。さらに、表皮が潰瘍を起こして、池中の汚泥が付着して泥かぶり病(水カビ病)のようになり、体表を擦り付けるような動作が頻繁に見られます。末期症状に至ると水面近くを浮遊し、食欲が不振となります。
【原因】 エピスチリスの寄生によって発病します。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. メチレンブルー粉末を1-2g/トン池に散布し5-7日間薬浴。
    (数トンまでの池にはメチレンブルー水溶液が便利です。)
  2. マラカイトグリーンを0.1-0.2g/トンで5-7日間の薬浴。
  3. 食塩20kg/トン(2%)で10分の短期薬浴。
  4. 麻酔をかけ、幹部にヨードチンキを塗る。


  5. ※重症の場合、幹部かなの細菌感染を防ぐために、
      これらの処置のあとにテラマイシンやパラザンDなどで薬浴を行ってください。
     

細菌性疾患

  • カラムナリス病(口腐れ病・ヒレ腐れ病・尾腐れ病・エラ腐れ病)
【発生時期】 主に春から秋にかけて発生します。
【症状】 エラ腐れ病:最初はエラの一部が白くなります。症状が進むと灰白色に変色し組織が腐ったように死んでいきます。体内への酸素の取込みが悪くなるので、食欲不振、動作が緩慢になり、群れから離れ注水口などに寄るようになります。
泳ぎがおかしく、外傷も見られない場合、エラ腐れ病を疑ってみることが必要です。
口腐れ病:口周辺が赤く、又は黄色の炎症を起こします。進行すると灰白色に変色し幹部組織がぼろぼろと崩壊していくようになります。
ヒレ腐れ、尾腐れ病:かんばが徐々に白く変色し、溶けたようになります。感染した部位は、白色、淡黄色の付着物がついたように見えます。
【原因】 フレキシバクター・カラムナリスの感染によって発病します。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 水産用テラマイシン30-50g/トンと食塩5kg/トンを池に散布。
    水温20℃以上に上げて、7日から10日間薬浴。
  2. 水産用・鑑賞魚用パラザンDを100ml/トンと食塩5kg/トン併用。
    水温20℃以上に上げて、7日から10日間薬浴。
  3. 水産用テラマイシンを魚体重1kgあたり0.2-0.5gを餌に混ぜて、5日から7日間経口投与。
  4. 水産用・鑑賞魚用パラザン粉末を魚体重1kgあたり0.1-0.2gを餌に混ぜて、5日から7日間経口投与。
  • 松かさ病(立鱗病)
松かさ病の病魚

【発生時期】 年間を通じ前年齢魚に発生する。
【症状】 全身又は一部の鱗が松かさのように逆立つ。
【原因】 エロモナス菌の感染によるものが主な原因とされています。
【治療法】

以下のいずれかの方法で治療してください。

  1. 水産用テラマイシンを水温20℃以上に上げて、30-50g/トンと食塩5kg/トン。
    7日から10日の薬浴
  2. 水産用・鑑賞魚用パラザンDを100ml/トンと食塩5kg/トン。7日から10日の薬浴
  3. 水産用テラマイシンを魚体重1kgあたり0.2-0.5gを餌に混ぜて経口投与。
  4. 水産用・鑑賞魚用パラザン粉末を魚体重1kgあたり0.1-0.2gを餌に混ぜて経口投与。

お役立ち情報

  • あらかじめ自分の池の水量は把握しておいてください。
    1トンは1000リットル。1mx1mx1mの水の立方体の重さです。
  • 経口投与とは、口から薬剤を与えることで、普通餌と混合して与えます。
  • 鯉の重さ

    18cm 約100g 35cm 約600g 45cm 約1000g 50cm 約2000g
    55cm 約2500g 60cm 約3000g 70cm 約5000g  

    あくまでも目安です。一番良いのはそのつど重さを量り、それぞれの鯉にあった薬の量を与える事です。
  • 薬を与える時は、必ずデジタルはかりなどでしっかり計り使用すること。
    薬によっては、零点何グラムの差が、愛鯉を殺します。
  • ホルマリンと塩は絶対まぜないでください。
  • 薬浴中は注水を止めるので、酸素欠乏に注意してください。
〈写真提供:新潟県内水面水産試験場〉

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